ワイルドタイム

強いフェノール臭があるハーブ系の香り

タイムにはケモタイプが10種類以上存在し、コモンタイムやレモンタイム、ラベンダータイム、シルバータイムなどがありますが、ワイルドタイムがタイム種の原点だといわれています。

アロマテラピーで一般的に利用されているのはコモンタイムで、ワイルドタイムが利用されることはほとんど無いようです。

ワイルドタイムは、Mother of Thyme(タイムの母)として知られており、古くは女性の月経の不調などに利用されてきたといいます。

また、タイムと言えば抗菌作用、抗ウイルス作用が強いことで知られており、古代エジプトでは、ミイラを作る際の防腐剤・保存剤として利用していたといいます。

では、ワイルドタイムの心体への効能をみていきましょう。

ワイルドタイムの効果効能

心への効能

心への効果・効能
強壮作用により、疲れた心、無気力な心に活力を与える効果が期待できます。

体への効能

体への効果・効能
強い抗菌作用、抗ウイルス作用などがあり、風邪やインフルエンザなどの感染症の予防に対して効果が期待できます。

また、痰(たん)を取り除く去痰作用や鎮痙作用があり、咳止めとしての効果も期待できます。

その他、リウマチや関節炎、腰痛などに対しても有効とされています。

ただ、チモールやカルバクロールと言った毒性のあるフェノール類が多く含まれている為、使用濃度には十分な注意が必要です。

主な芳香成分

フェノール類 カルバクロール(20~40%)、チモール(微量)
モノテルペン炭化水素類 γ-テルピネン(15~20%)、p-サイメン(15~20%)、α-テルピネン(微量)など。
セスキテルペン炭化水素類 β-カリオフィレン(10~15%)

禁忌・注意事項

  • チモールやカルバクロールと言ったフェノール類が多く含まれている為、使用濃度には十分な注意が必要です。また、長期の使用は避けましょう。
  • 妊娠中や授乳中の方、乳幼児への使用を避けましょう。



香りの特徴

香りのグループ ハーブ系
揮発度 トップノート
香りの強さ 強い

基本データ

学名 Thymus serpyllum
英名 Wild thyme
科名 シソ科 イブキジャコウソウ属
種類 多年草
別名 クリーピングタイム、イングリッシュワイルドタイム
和名 ヨウシュイブキジャコウソウ(洋種伊吹麝香草)
抽出部位 全草
抽出方法 水蒸気蒸留法
主な産地 スペイン、アルバニア、イタリア、アメリカ
主な作用 抗菌、抗ウイルス、抗真菌、強壮、防虫、去痰、鎮痙など。

以上、「ワイルドタイムの効能」でした。参考になれば幸いです。