植物から抽出した100%天然の芳香物質
日本では通称「アロマオイル」として親しまれている精油(エッセンシャルオイル)。
精油(エッセンシャルオイル)とは、植物の花や葉、果皮、種子、樹脂、樹皮などから抽出した、100%天然の香りのある液体(揮発性のある芳香物質)のことをいいます。
天然の化学物質が、数十種類から数百種類も集まってできた有機化合物であり、それぞれの成分が香りを放ち、また、人間の心身へと薬理的な作用をもたらします。
香りのある植物「芳香植物」は、約3,500もの種類があるといわれていますが、精油が抽出されているのは約200~300種類ほどです。
植物によって含まれている成分が異なっており、それぞれの植物が、様々な香りと効能を持ち合わせています。
精油は「油」ではない
精油は見た感じが油っぽく、また、精油という言葉には「油」という文字が含まれていますが、オリーブ油やゴマ油、ヤシ油のような油脂ではありません。
水より軽くて、水に溶けにくく、油にはよく溶ける性質(親油性・脂溶性)があり、水に入れると水面に油のように浮くため、この名前がついたといわれています。
精油の特性
精油の特性は、大きく分けて以下の3つの特徴があります。
- 強い香りを持っている。(芳香性)
- 空気中に放置すると蒸発する。(揮発性)
- 油に溶けやすい。(親油性・脂溶性)
精油は、植物だけから抽出された100%天然の液体で、保存料などが一切含まれていません。
その為、光や熱、酸素などによって成分が変化し、劣化していくものが多いです。
また、凝縮された濃厚な液体なので、ときには刺激が強く、心身に合わない場合もあります。
したがって、アロマテラピーを楽しむためには、取り扱い方や保存方法などの正しい知識を身に付けることが大切となってきます。
植物が精油を作り、香りを放つ理由
植物はなぜ精油を作り、香り(芳香物質)を分泌してるのでしょうか? それは、自分の身を守るためと、子孫を残すためだといわれています。
植物は、動物と違って一度根付いたら、自分でその場から移動することが出来きません。
子孫を残したくても、昆虫や鳥などの外敵が来たとしても、その場でたくましく生きていかなければなりません。
そこで、植物は芳香物質という武器を分泌させ、自己防衛と子孫繁栄の為に役立てているのです。
子孫繁栄の為に、自ら移動することが出来ない植物は、香りを放って昆虫や鳥を引き寄せて、遠くへ種子を運んでもらったりしています。これを「誘引効果」といいます。
また逆に、自己防衛の為に、昆虫や動物などの外敵に食べられないように、苦手とされる香りを放ちます。これを「忌避効果」といいます。
精油は植物の生命力そのものであり、ものすごいパワーを持っています。
アロマテラピーは、そのような偉大な植物の力を借りて、人間の自然治癒力を高めていくセラピーなのです。
植物にとっての精油の役割
- 香りで昆虫や鳥を引き寄せて子孫繁栄をはかる。(誘引効果)
- 昆虫や鳥などの苦手とする香りを出し、寄せ付けない。(忌避効果)
- 有害なカビや菌などの発生・増殖を防ぐ。(抗菌効果)
- 他の植物の発芽や成長を抑制し、自分の身を守る。
- 精油(芳香物質)を蒸発させて、暑さから身を守る。
- 人間のホルモンのような情報伝達を担う働きをする。
以上、「精油(エッセンシャルオイル)とは?」でした。