精油の製造方法 イメージ画像

精油の抽出方法は主に5種類あり、もっとも一般的な水蒸気蒸留法をはじめ、圧搾法、油脂吸着法、揮発性有機溶剤抽出法、超臨界流体抽出法があります。

植物の芳香成分には、水や熱に強いなどの特徴がそれぞれありますので、その特徴によって、最も適した方法で製造されています。

このページでは、主に5種類の精油の抽出方法をご紹介させていただきます。

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1.水蒸気蒸留法

精油の製造方法 イメージ画像

水蒸気蒸留法は、植物から精油を抽出する方法の中で、最も一般的です。
ほとんどの精油が、この水蒸気蒸留法で抽出されています。

それには理由があります。装置の金額が比較的に安いからです。

しかし、植物が水と熱にさらされる為、香りや成分が損なわれることもあります。
したがって、すべての植物の精油を、この方法で抽出する訳ではありません。

水蒸気蒸留法の手順を簡単に言うと、以下の通りです。

  1. 原料となる植物を釜の中に入れます。
  2. そこに水蒸気を吹き込んだり、釜の水を沸騰させたりして、植物に水蒸気をあてます。
  3. 水蒸気の熱で、植物に含まれる精油が揮発して、蒸発します。
  4. その蒸発した水蒸気を冷却槽で冷やすと、再び液体に戻ります。
  5. 水に溶けずに液体の上に浮いている成分が、精油となります。

仕組みは簡単ですが、香りや品質を確保するには、熟練した腕が必要となります。

精油を取り出した後の残り水にも、精油が若干溶け込んでいます。
これは「芳香蒸留水(フローラルウォーター)」と呼ばれており、商品化されています。

ローズウォーター、ラベンダーウォーター、カモミールウォーターなどが芳香蒸留水にあたります。
化粧水などの用途として人気があります。

2.圧搾法

オレンジ 写真

圧搾法は、主にオレンジやグレープフルーツ、レモンなどの柑橘類の果皮から採油する方法です。柑橘類は、果皮に精油が含まれています。

昔は手作業で果皮を搾って採油していましたが、現在は機械化されており、ローラーや遠心分離器で圧搾して、精油を抽出しています。

また、機械で果実を丸ごと絞ったあと、「果汁(ジュース)」と「果皮の精油」に分離する方法でも抽出されています。

水蒸気蒸留法とは違って熱を加えない為、自然のままの香りを得ることができます。

しかしその反面、精油に絞りかすなどの不純物が混ざりやすく、精油が酸化して劣化し易いです。

したがって、精油を開封したら半年を目安に使用することが大切です。

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3.油脂吸着法(冷浸法)

油脂吸着法は、牛脂や豚脂(ラードと呼ぶ)などの油脂に芳香成分を吸着させて、精油を抽出する方法です。
熱を加えない方法なので、「冷浸法」とも呼ばれています。

古くかラ行われていた伝統的な方式で、ジャスミンやローズなどのデリケートな花の精油を得る為に利用されていました。
しかし、時間と手間がかかりすぎる為、現在ではあまり利用されていません。

油脂吸着法の手順は以下の通りです。

  1. シャーシ(ガラス板に木枠をはめた窓ガラスのようなもの)にラードを塗ります。
  2. 原料である花を敷き詰めます。
  3. 2~3日放置して、芳香成分を吸着させます。(芳香成分を含んだ油脂を「ポマード」と呼ぶ。)
  4. さらに手作業で新しい花と取り替えながら、3週間から1ヶ月程かけて吸着させます。
  5. そのポマードから、アルコールを使って芳香成分を溶かし出します。
  6. 最後にアルコールを揮発させて取り除き、残った芳香成分を採取します。

採油されたものは「アブソリュート(Abs.)」と呼ばれ、非常に高品質な精油です。

4.揮発性有機溶剤抽出法

揮発性有機溶剤抽出法は、石油エーテルやヘキサンなどの揮発性有機溶剤を使用して、芳香成分を溶かし出す方法です。

熱を加えない方法なので、手間のかかる油脂吸着法と代わって、
ジャスミンやローズなどのデリケートな花の精油を抽出する際に利用されています。

また、生産性が高く、水蒸気蒸留法よりも多くの精油を抽出することができます。

しかし、人体に害である有機溶剤が残る恐れがあるというマイナス面もあります。

揮発性有機溶剤抽出法の手順は以下の通りです。

  1. 原料を釜に入れて、揮発性有機溶剤に浸します。
  2. その後、揮発性有機溶剤を気化させると、芳香成分を含んだ半固形状の物質が残ります。これを「コンクリート」と呼びます。
  3. コンクリートをアルコールで溶かして-20℃~-30℃で冷却すると、芳香成分とワックス成分が分離します。
  4. アルコールを除去すると、精油が採れます。

この方法で採れた精油も、「アブソリュート(Abs.)」と呼ばれています。
現在販売されているアブソリュートは、ほとんどがこの方法で得られたものです。

また、分離して残ったワックスにも芳香成分が含まれています。
このワックスは「フローラルワックス」と呼ばれて、クリームや化粧品の原料として利用されています。

5.超臨界流体抽出法

1970年終わり頃に開発された新しい方法で、主に二酸化炭素などの液化ガスを用いる方法です。

水蒸気蒸留法のように熱を加えることも無く、揮発性有機溶剤法のように有機溶剤が残る恐れもありません。

特に、二酸化炭素を使用して得た精油は、安全性が高いことで知られています。
したがって、自然そのままの芳香成分を得ることが出来ます。

以上のことから、開発当時は注目を浴びていましたが、
しかし、装置が高価な為、現在では普及しておらず一般的ではありません。

超臨界流体抽出法の手順は以下の通りです。

  1. 二酸化炭素などに高圧を加えて、気体と液体の中間である流体(超臨界)にします。
  2. 流体となったガスの中に、原料となる植物を入れます。
  3. すると、ガスに芳香成分が浸透、拡散して、ガスが芳香成分を取り込みます。
  4. それから流体の圧力を元に戻して気化させると、芳香成分だけが残ります。

この精油も「アブソリュート」と呼ばれており、非常に高品質です。

以上、「精油の製造方法」でした。参考にして頂ければ幸いです!